当然大学によって制度が異なるが、僕が学部生だったときは、3年生と4年生で同じ名称のゼミが履修できて、別の単位としてカウントしてもらえた。僕は教育方法学講座の所属だったので、3年の時は教育方法演習を通年で2コマ。それに加えて、教育原論演習を通年で2コマ。4年生の時も教育方法と教育原論の演習を受けた。卒業論文の締切が近づくと演習の出席者が減った。演習に出席する時間も惜しいくらいに書かなければならないゼミ生が多かったからか。
卒論と言えば、僕が4年生の時までは卒論は「手書き」しか認められなかった。したがって書き損じはそのままタイムロスになるし、章構成の変更なども手軽には出来なかった。何も考えずに清書するだけで1日20枚がやっとだった。ボールペンでは手が疲れて書けなくなる。普段はめったに使うことのない万年筆を使った。モンブランとパーカーを交互に使いながら、書き損じた字の上に紙を貼って(修正液ではないですよ)直しながら書いた。僕が卒業した翌年から卒論は「ワープロ書き」が認められるようになったので、何だか悔しい気分だった。ワープロで書くのと、手書きをするのでは能率が違うと思われるが、ワープロの方が良い文章が書けるわけではない。簡単にコピーアンドペーストができるので、文章が冗長になったり、同じ記述が何回も出てきたりすることにつながりやすいのである。
最近は文章を手書きすることがほとんどなくなった。学生時代にはあった「ペンだこ」も消えた。たぶん書けない漢字が増えているだろうし、字も下手になっているのではないだろうか。筆を使って一千年余り。ペンを使って百年余り。ワープロ&パソコンで30年ほど。これから書く作業はどう変わっていくのだろう。
ちなみに、僕は手書きするなら、ブルーブラックのインクで太めに大きな字を書いた方が良いと思う。ただの個人的趣味だけれど。