いわゆる推理小説というものが好きだった時期があった。小学校の中学年位の頃だったと思う。「明智小五郎」とか、『シャーロックホームズ」とか、よく知られたシリーズはほとんど読んでいる。基本的にその種の話が好きなのかも知れない。
小学校高学年の頃は「太陽にほえろ」を楽しみにしていた。マカロニ刑事の登場からジーパン刑事の殉職あたりまでは、毎週必ず見ていたように記憶している。今だったら、出演者のロール順をチェックするところだが、当時は俳優として誰が格上かなどと言うことに関心はなかった。ただ単に無知だっただけだが、よく言えば真っ直ぐにドラマを受け止めていたということだろう。七曲署の刑事たちはそれぞれ個性的な存在として描かれ、時には犯人の心の内を中心にストーリーが進むこともあった・・・。と記憶している。「山さん」は知性的な刑事として描かれていたが、時に犯人に対する憎しみを顕わにすることもある。そういう人間味のあるドラマとして認識していたのだろう。
刑事コロンボ」を追悼放送するという番組紹介で、ピーター・フォーク氏が亡くなったことを知った。83歳、父と同年代だ。僕が中学生の頃、「刑事コロンボ」は欠かさず見ていた。「太陽にほえろ」とはまったく違う刑事物であった。追悼放送された「二枚のドガの絵」は、「刑事コロンボ」のシンボリックなエピソードとして印象深い。直感的に真犯人をとらえ、逃れられない証拠を突き付けるまで追い込んでいく展開はよく知られている通りだ。
「二枚のドガの絵」の展開が華々しく思えるのはなぜだろう。ファンの中でもベスト3に入るエピソードである。捜査のプロセスで「新証拠」を作るエピソードは他にもあるのだが、これほどの爽快感はない。一瞬、「コロンボ」という天才の実在を信じてしまうくらい鮮やかな展開だ。
7月に書いたまま下書き状態で放置されていた記事を投稿したが、完全にタイミングを逸してしまったようだ。