今日、各コースに卒論テーマ・指導教員申請諸類を渡した。提出締切は12月16日であるから、まだ1ヶ月半も先のことである。
この時期に卒論テーマを焦点化することが難しいことは承知している。しかし、本学では4回生になると5月のゼミ合宿終了後から教員採用試験の合格発表までの5ヶ月間に渡り、卒論が完全に停止状態になる人が少なくない。実はそういうケースに限って、教員採用試験の準備開始も遅いのである。
4回生の時期に卒論の極端なペースダウンが始まったのは教員採用試験氷河期の頃からの悪しき慣例である。教員採用枠が広がった今は、根拠を失っている。
自分の学部生の頃は、大学は就職にはほとんど関与しなかった。国立では当たり前のことだった。最近は学生の利便性を考えて、過保護になっているのではないかという印象すらある。
ちなみに僕が卒論テーマを決めたのは4年生の4月である。テーマ提出期限が4年生の4月末日だったからだ。当時は総合学習に興味があったため、指導教官からドイツの文献を借りて翻訳を始めた。春から秋にかけてはほとんど翻訳作業で終わっていて、教員採用試験は受けただけだった。教育実習は最大限の努力をしたが、教員採用試験に向けての準備をする余裕はなかった。大学院に来るように誘われていたので、教員は第二志望だったせいかもしれない。その代わり、大学院志望者数名で他講座の教官に頼んで、ドイツ文献購読指導をしてもらった。英語とドイツ語が60点未満だと、いくら専門科目ができていても不合格になるからだ。
高校教員内定の通知をもらったあとで大学院入試があった。若干迷うところもあったが、内定を辞退して大学院に進学した。これで良かったのかわからない。僕はまだ自分の「目指す何か」を実現していないと感じているからだ。