総合演習という授業で「官位」についての話が出た。象が天皇に拝謁するために、従四位を賜ったという件に関して、「従四位」とはどのくらいの身分かという問いがあった。質問者も回答者も僕に視線を向けたのだが、僕の専門は教科教育学、教育学、教育方法学であって、社会科の教科内容についての知識があるわけではない。端的に言うと詳しく知らないのである。
僕の官位に対する知識はもっぱら古典文学などから得たものであって、極めて限られている。三位以上は「殿上人」であって「清涼殿の殿上の間に昇る」ことを許されている。例外的に四位、五位で許される場合もある程度のことしか知らない。官位は一位が太政大臣クラス、二位が左大臣・右大臣クラスであるが、最もわかりやすい人物は誰だろう? たとえば紀伊徳川家当主は正三位大納言、水戸徳川家当主は従三位中納言だったから、「水戸黄門が従三位」というのがわかりやすいのかも知れない。
ただし、四位以下については正確には知らない。細川家、松平家、伊達家などの有力大名が「従四位くらい」かと思ったが、固有名を挙げて間違えるといけないのでやめておいた。今日確認したら、それで正しかった。従四位とは名門大名クラスの官位であるということになる。だったら水戸家よりもちょっと下という説明よりも、名門の大大名クラスと言った方が的を得た回答だったかも知れない。
現在は生前に官位を与えることが禁じられているので、今に例えることは難しい。
追記 紀伊・尾張徳川家は最高位としては正二位大納言、水戸家の最高位は正三位大納言であったらしい。だれが該当人物かはわからない。