2週間ほど前にNHKのBSプレミアムで空海特集を見た。東京で展覧会が開かれているからだろう。高野山と東寺に行ってみた。東寺の講堂の「立体曼荼羅」は、何体かの仏像が東京に出張している。台座ごと不在だったり、台座と光背を残していたり。立体曼荼羅とは空海のアイデアだと思っていたのだが、所謂「曼荼羅図」というのは「ケータイ」するためのものであって、本来の曼荼羅は地面や床に描かれたり、3次元だったりするらしい。空海はそれを東寺の講堂に一部復元したわけだ。東寺の伽藍配置は空海が東寺を預かる前に決まっていたらしく、本来中心となるべき塔が「隅っこ」に配置されているし、金堂もある。講堂の中に大日如来を中心とする仏像群を配して精一杯の空海らしさを残しているのが心憎い。当然曼荼羅全体は配置できないので一部のユニットにとどまるわけだが・・・。
空海らしさをより強調できたのは当然高野山である。奥深い山の上にあれだけの平地があることをよく知っていたものだと感心する。たやすくたどり着けないのがいいところなのかも知れないが、20キロの山道は遠い。そもそも高野山という対象を「理解」することは可能なのだろうか。とりあえずの初参拝から、学び始めることにしよう。難しそうだけれども。