ゲネプロ・・・。何のことかと思ったら、本番直前の舞台稽古のことだった。ドイツ語のGeneralprobeの省略らしいが、なぜバレエやオペラなのにドイツ語なのかはわからない。やたらとカタカナ語で、しかもコンビニみたいな日本語オリジナルの略し方をされたのでは意味がわからない。通し稽古と言ったらいけないのか。業界の人に聞いてみたい。
11月3日は祝日で、金曜日を挟んで土日であるから、今週はゆっくりと休めるハズだった。だが、実際は重要会議の日程調整に苦労しながら、なおかつ子どものバレエ発表会の照明合わせ、ゲネプロ、本番というイベントがあって全く休めない。夏頃から発表会モードで稽古が増えたと思っていたが、仕事の日程しか頭になかったのでプライベートな日程は前日まで知らなかった。
今は科研費申請の締切直前であるから、祝日と土日でゆっくりと完成させようと思っていたのだが、細部を詰め切れないまま提出することになりそうだ。実際は所属機関にはeRadで提出完了させてしまったので、もし修正箇所があったらいったん申請を却下してもらわなければならない。
教員という仕事は因果なもので、自宅にいると必ず「今日はお休みですか?」と聞かれる。言い訳がましいことは言いたくないので、「そうです。文化祭でお休みです」と答えておいた。実際はこの文化祭期間には出勤もしているし、家で科研費書類の修正をしたり、業務メールを書いたりしているのだが、在宅=休み という認識は世間の常識なのだろう。確かに自分の裁量で勤務時間の変更もできるし、自宅研修もできるのだが、その代わり休日でも深夜でも仕事をしているではないか。ということを書くと理系の人にひんしゅくを買いそうなので、これ以上書かないでおくことにする。
ところで、ゲネプロの話に戻る。子どものバレエ発表会は今年から本番撮影禁止になった。理由は、部外者が撮影して流出させるからだという。本番は委託業者が4台のビデオカメラの撮影を行い、後日それを販売するわけである。昨年の発表会は僕の撮影した映像の方がずっと良かった。委託業者DVDはノーマル画質であるのに対し、自分の撮影分はハイビジョンであるからという理由も大きいだろう。また僕は30年前から研究授業撮影をしていて撮影に慣れているという理由もあるかも知れない。
保護者が撮影できるのは照明合わせとゲネプロだけである。家内は裏方仕事があるので、僕が撮影係である。研究授業とバレエでは対象までの距離も違うし、動きが全く違う。固定カメラではズームもパンもできないので、僕は手持ちで撮影する。照明あわせの時に練習してみた。演技者が次にどう動くのか、左右も前後も含めて把握できていないとカメラの操作が遅れる。照明あわせの際にすべての演技者の動きが大体把握できたので、ゲネプロでは動きを予測してズームとパンをおこなった。見るべきポイントはしっかりとズームで写しているし、上手な演技者を中心に写しているので我ながら「いい感じ」で撮影ができたと思う。
本番は撮影できないので、舞台脇でトゥシューズのあたりをよく見ていた。しっかりと使いこなしている子もいれば、サテンシューズで事足りる子もいる。そろそろ家の子もトゥシューズを使うようになるので、留意点は把握しておこうと思った次第だ。
今年の発表会は、同じ演目は同じレベルの子でまとめていたし、クラシックバレエの人気演目を取り入れていたため、総括すると観客受けが非常に良かった。ただし、家内は本番の日には10時間もホールに貼り付きであった。ゲネプロを写し、本番を見ただけの僕もホールに6時間も滞在する羽目になった。子どもたちも疲れただろうが、こっちもかなり疲れている。
来週はバイオリンの発表会がある。おまけに学校では音楽会モードの時間割編成になっていて、バイオリン担当となった娘は毎日学校にバイオリンを持参しなくてはならない。音楽会が終わるまで慌ただしい。せめて、夏日だけは終わって欲しいと思う次第である。