卒論のことを書いていて思い出した。
大学の卒業式の頃はもう暖かくなり始めた頃だったように思う。僕の学部は
60名定員で女子の方が多く、袴姿がほとんどだった。イベントのために衣服を用意するという発想がなかった僕は、いつもの服装で出席するつもりであった。
入学式もジーンズだった。だが、壇上で卒業証書を受け取る係を教務から申しつけられたので、やむなく紺のブレザーとボタンダウンの白シャツと、グレーのス
ラックスという不本意な出で立ちを余儀なくされた。ネクタイは赤系だったと思う。式典の雰囲気を壊すほどの大胆さは持ち合わせていない。