古書店のことを書いていて思い出した。昔はよく神保町の古書店街を回ったものだ。必要な本がどこにあるのかは、実際に店舗に行かなければわからないからである。名古屋の古書店では手に入らないものも神田にはあった。ただし、神保町の古書店は価格設定が厳しい。店主が本の価値を正しく把握しているからだ。初版で執筆者のサイン入りの本が100円で売っていたりする古書店チェーンのようなケースはまずあり得ない。
神保町で見つけても少し価格が高いなと思うことがある。そういうときは早稲田の某古書店に行ってみる。神保町よりも本のコンディションは悪いが価格がかなり安い。早稲田の某書店に行くと、そこで掘り出し物が見つかることもあり、結局神保町に戻らずに済ませてしまうことも多かった。ちなみに、早稲田の某書店は「売約済み」の本を平積みにして一番上に依頼者の名刺が置いてある。知り合いの名刺をしばしば見かけた。一足違いで買われて残念な思いをしたこともある。
最近はアマゾンのマーケットプレイスで古書も売っている。地方の小さな書店からも買える。非常に便利であるが、昔も懐かしい。今日は少し懐古趣味に走ってしまったようだ。