日本のスーパーコンピュータが計算能力で2位を大きく引き離して1位になったというニュースを見た。事業仕分けで、あの蓮舫氏が「2位じゃだめなんですか?」という発言をして話題になったトピックである。
2位でダメなわけではない。それは誰もがわかっている。ただし、どんな分野でも(おそらくスポーツでも)初めから2位を狙ったら、2位はおろか「入賞」すらおぼつかないはずである。1位を目指して全力を傾注することで、技術が進歩するのであって中途半端に2位を狙うのであれば、いっそスーパーコンピュータの事業から手を引いた方が良いくらいだ。
ベストを尽くすということは「1位を狙う」ことであって、それが結果として2位、3位に終わったとしてもそれはやむを得ないことだろう。技術進歩にとっても、それに携わる人間のモチベーションにとっても「1位を目指す」取り組みの中で、技術は進歩し、オリジナル技術が生まれてくるものである。
日本にとって良かったのは、中途半端な取り組みこそが予算の無駄遣いであることを多くの国民が納得できたことではないだろうか。
教育活動も「パーフェクト」や「1位」が目的ではない。ただ、高いモチベーションを維持するためには自らに高い目標を課すことが必要であることが重要だということを、このたびの教訓とすべきだろう。